
7月14日、
高円寺無力無善寺の「猫道節」にて、
去年、同会場の朗読イベントで上演した「幽体離脱の父」をリメイクし、
15分バージョンにした「幽体離脱の父、その娘」という作品を上演。
本番前夜はそれなりに、
リハーサルを近所のカラオケボックスで
敢行したりもしたのだが。
外が暑くて2分でバテるし、
玄関前に巨大なガマガエルが登場して進路を塞いでいるために
靴を持って窓から出入りしたりと空き巣まがいの行動に出たりして
まあ家に帰ってきたらあっさりと誘惑に負けて夏太郎と焼酎飲むし、
高校時代にジャンヌ・ダルクを熱く語りながら弁当を食べた旧友の
タルイナオコが、沖縄でカリスマ・バックパッカーと恋に落ちて、
でも年の差がうふふと電話口で悩ましく告白しはじめるしで
もう早く一人パフォーマンスなんてマゾっ気全開のお仕事は
早よう早よう終わってたもれという心境で
洗顔洗歯のユニットバスなのであった。
連日ひとりでお稽古に励むも
煮詰まって夜中にラーメンズのDVD観たりして、
内容は死ぬほど面白くてヒイヒイ笑えるくせに、
もう才能の結晶みたいな小林賢太郎の存在に
励まされるどころか逆に激しく落ち込んで、
よかったこの人たちを目指さなくて、とか同じフィールドにいない
幸運みたいなものを後ろ向きに噛みしめる。
ラーメンズは、
発想も構成も演出も芝居も何もかもが完璧なくせに、
完璧臭さを感じさせない絶妙な手加減とか
愛されやすいところまで客の目線にちゃんと降りてきてる感じとか
んとに、なんかもう行き届きすぎていて憎たらしい。
なのにまんまと離れられない。
ああもういやだいやだ。面白すぎて練られすぎてて。
そしてそれが見事に気持ちよく刺さって。
最近、椎名林檎がデビュー10周年とかでアルバムを出したけど、
彼の人のごとき圧倒的な才能を目にするたびに、
畏怖と敬意を抱くと同時に
絶対的な覚悟を見せつけられているようで
何だか。
自己顕示欲と引っ込み思案がないまぜになった
中途半端な表現欲に突き動かされ、○も×も裸眼で視力検査、
曖昧に漂っていられる温い場所で「活動」している
自分の現在が非常に気持ち悪く所在なく、けれどそれは
やはりその現在地点わたしの座標がそのまま自分のレベルというか
身の丈とでもいうべきものである事実は引き受けなければ
ならないのだと思いつつも、
いろいろ考えて整理整頓したほうがいいのかどうなのか
たぶんどっちでもいいのだとは思いつつも。
「猫道節」のイベント主催者の猫道氏が、
イベントの終わりの挨拶の際にお芝居を辞めて、
ソロ・パフォーマンスにシフトしていく宣言をなさって、
聞けば何でも芝居を始めて10周年だそうで。
まあ10年も続けて打ち込んできたことならば
辞める宣言もまた一興、箔もついて素敵なのだけれど、
わたしなどのようにまだ素人ずっぽしペーペーだろって
浅いレベルであっさり嫌気が差して足を洗う気でいるのは
ただの臆病か飽き性か、気まぐれでしかないのですがまあ
宣言するほどの積み重ねはないながらも、
やはり自分が現役か否かという事実は判りやすくしとくのが
周りへの親切というかマナーなのかもしれん、などと思ったり
思わなかったりするわけで。
もう回を重ねるごとに面白さと手に負えなさを一挙に味わえる
お芝居というメディアは、十分に不自由で使いづらくつまりは
あばずれで片手間には到底極められぬし。
今回一人で出てみて、良くも悪くも自己責任ですねみたいな
話を猫道さんともしたのですが、まさにそれで。
芝居という集団での創作形態のまんまと自己責任にならない
そのジレンマ!
観客とのコミュニケートを目的とする作品を成立させるまでに
経なければならぬ、役者・スタッフとの意思疎通相互理解。
猫道氏のように、お芝居は大好きなのだけれど合わないから
辞めますというような、いい感じのコメントを添えてではなく、
ただただもう表現手段としては使い勝手悪すぎて、
小劇場の世界というのが居心地が悪すぎるので、こっから
離れて旅に出てやろうと思っているわたくしのこの現在なのです。
とくに宣言とかしないけども。
お世話になった皆さん、今までありがとうございました。
恩田ツアーの活動は本日をもって終了します。
あ、ちなみに「猫道節」のイベント自体はとても楽しく
一人パフォーマンスの機会を頂けたことは大変ありがたかったです。
奇しくも芝居引退宣言をされた猫道さんには、詩人が集うライブ
への参加をすすめていただいたりもしましたし。
わたしと同じくゲストでいらしていた上野康平さんのパフォーマンスは
どこまでが本気かギャグか判別できない天然感満載で和みました。
今後は、何かそういう出会いと別れの酒場的な場所で
ひとり踊ったり歌ったりして生きていこうと思う所存であります。
ああ、なんだか酔った勢いでいろいろ書いてしまいましたが
とにもかくにも、人様の前で何か思わせぶりに言い募ったり
口ごもる機会はとかく得がたいと、そんな気持ちでいるわけですね。
ご来場いただいた皆様、いただかなかった皆様
ありがとうございました。
ホワイエ。