2014年02月22日

笑っちゃうほどカレーがまずいカフェの実在について

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自宅周りはとにかくこじゃれたカフェや雑貨屋が多い。 外を歩いていると3歩おきくらいにおしゃれゾーンに突入してしまう。
そのため土日など外出の折は、「うわーこんなおしゃれな場所に場違いな女がいる!」などと蔑まれないように、そこそこ装いに気をつかわなくてはならない。
(※ただし地元住民らは大抵だるだるに伸びたTシャツなんかで歩いている。気を付けるべきは、わざわざカフェを目当てによその土地からやってくるおしゃれ大好きピーポーだ)

そんなこしゃくな土地柄に住んだ甲斐もあって、素敵なカフェを普段使いできるのはけっこう地味に嬉しい。
落ち込んだ日はカフェに行けばいい。
むしゃくしゃした日もカフェに行けばいい。
恋人と連絡がとれない、
借金で首が回らない、
わき腹がしくしくと痛む、
耳から変な汁が出る。
そんなときもどんなときも、僕が僕らしくあるために、とにかくカフェに行けばいいのだ。
ビバ・日本!平成のカフェー文化よ!!
ばばん。

そんなわけで、日常の憂さを取っ払い、心身をリフレッシュしてくれる癒しのリセット・ポイント。
つい半年ばかり前まで、私はカフェをそう捉えていた。
そう、あの店に出会うまでは。

私の住む街の駅前にそのカフェはある。
こうしてこれを書いている現在もまだある。存在している。営業もしている。
潰れないのが七不思議というくらい、カレーのまずいそのカフェ。
メニューを見ると、飲み物が数種類とごはん系フードはカレー1品のみ。
勝負に出ている。

そんな「カレーは自信満々ですから」感に満ち満ちたその店で、私はなかなか抜く機会のない「度胆」を抜いた。抜かれてしまった。
(どうでもいいですが、「どぎも」ってすごい響きですね。NTTドギモ、とか会社があったら、すごく電波が強そうです。)

それがあまりの不意打ちだったために、店主が衝立のすぐ向こうに控えているであろうその座席で「なんだこの夢のようにまずいカレーは」という素朴な驚きを隠すことができず、ついついダダ漏れにしてしまった。
口にスプーンを運んでは、その皿の味がすみずみまで均等な「まずみエキス」で満たされている事実を確かめるように、私は「まずっ」という反射的な一言を幾度も幾度も口に出して繰り返したのである。

ぱくっ
まずっ
ぱくっ
まずっ
ぱくっ
うう・・・まずい・・・・

お百姓さんに悪い悪いと思いながらも、礼儀正しい私は完食せずに店を出た。

思えばそれは、「カレーを目指してこれほど本格的にまずいものを生み出せる店があるなんて、逆にすごい」的な新記録の樹立であった。

とにかく目を見張るまずさ。

怒りや落胆を通り越して、私はむしろ嬉しかった。このおしゃれな街には到底釣り合わない、驚きのカフェがあるというその事実が。
しかし喜びに反して、ハートとボディは確実にダメージを喰らったようである。
楽しいひとときを単体でぶち壊すほどにまずさの際立った料理。
それはもはや肉体と精神の両方面における暴力と言えよう。

ともあれ、人間外堀が埋まっている状況に置かれると引っ込みがつかない。
皿の上にのせられた、かつてないインパクトを与えるそのメニューを前にして、ひとくち食べてやめる、という大人の英断が私は下せなかった。
自分も人としてはまだまだ。しかし、それもこれもあのカフェが悪い。

ちなみに駅名と「カフェ」のキーワードでネット検索すると、その店についての記事がおらおらと出てくる。
「おしゃれでいい感じの時間過ごせますよ」的な雰囲気を、そこはかとなく匂わせながら。
posted by 地図書きのゆみ at 22:58| 東京 ☀| Comment(2) | 観(あのときはこうおもっていたようだ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
”そんなときもどんなときも、僕が僕らしくあるために、とにかくカフェに行けばいいのだ。”

あまりにも秀逸で、思わずにやけてしまいました。
Posted by 芝浜 at 2014年09月24日 10:39
芝浜さん、お元気ですか。
他人様をにやかすような文章を書きたいと思いつつ、こちらは日々のあれこれに忙殺されております。
こんなときこそ、カフェですね。
Posted by yumi at 2014年11月01日 11:13
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